策。

うちのSnowちゃんは出掛ける時とても時間がかかる。
俺はかかっても10分あれば余る程なのでいつも待つ事になる。
髪のセットをしてしまうとゴロリと寝転がる事も出来なくなってしまう為、
酷い時は『靴を履いたら呼んでくれ』と言った事がある程だ（笑）

この日はどうしても午前中に出掛けないと間に合わない場所に行く用事があって、
予め俺より早く用意を始めているSnow。
只今メイクの真っ最中で、アイメイクに時間がかかっているようだ。
ﾁﾏﾁﾏﾁﾏﾁﾏやっている。


「Lush～、このアイカラーおかしくない？」
「ん？綺麗に出来てるよ＾＾可愛い可愛い＾＾」
「ほんと～♪」


俺の言葉で大満足したSnowはようやく鏡から顔を離した。
Snow専用の小さな机の上に目一杯広げられた道具達はやっと役割を終え
ポーチ、小箱、それぞれの場所に納められていく。

さて、行けるかな？と思いきやココから第二幕の始まりだ。
演目は……Snowちゃん着せ替えファッションショー（笑）
あーでもない、こーでもない、この組み合わせは色が変、これはこの前着た等
あれだけで出掛けられるなんて甘い、甘い。

こりゃまだかかりそうだなぁ……と俺は再び横になった。
でも、まぁ、お洒落が好きな子はいいよな。
『お洒落をする』という行為に目覚めたのが大分遅かったSnow。
きっと病気が良くなってきてるせいかな、俺と出逢う前は自分を諦めていたと言っていたし。
ファッションやコスメの雑誌コーナーに自然と足が向かうと言うのは俺的にはかなり◎
俺も努力しなきゃな……。

とか考えながら漠然とSnowを見ていたら……時間が差し迫ってきているのに気が付いた。
俺はSnowを促す。




「おーい、Snow～、時間が近づいてるけど間に合うか？大丈夫か？」



Snowの答え。





「大丈夫！！間に合うように慌てるからっ！！（どどーん）」





……成る程、それなら大丈夫だろう（え）

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