玉子焼きから優しい気持ち。

こんなに長く住んでいるのにSnowの優しさは変わっていない。

俺達は決して裕福とは言えず、将来不安で喧嘩も沢山した。
Snowの病気が悪化したり、俺との親の問題や、仕事や、俺自身の問題……
本当に色んな事があって、本当に……。

でも考え方によっては、「だからこういう考え方ができるんだ」って思う事もあったりする。





「Lush、私今からご飯作るね～。」

「うん、ありがとう＾＾」


「今日、夕べの冷めた御飯でもいい？」

「いいよ＾＾」


「う～ん、そうだ！冷めた御飯だけど、玉子焼きにホウレンソウ入れて
ポパイエッグにしてあげるね♪」

「 ＾ ＾ 」




なんだか、こう言われて俺の心の中がじんわり暖かくなった。

貧乏だからこそ感じる幸せがあったりする。
玉子焼きの中から顔を出す、優しさの緑色。
それは冷御飯を炊き立てに変える程の威力を持つ。

Snowの病気が悪化してしまった時、俺はこんな幸せは遠い何処かへ消えてしまったと泣いた。
だから俺は忘れない。
こういう幸せは宝物なんだと。


黄色の中の緑色は、俺に再度幸せを気付かせてくれた。


ありがとう。


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