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俺はFTMだ。 俺と言う器で今日も生きて行く。 なんでもない「今」を残していこうと思う。
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辺り一面火の海だった。

炎は天を持ち上げるかのように上へ上へと吹き出している。

俺はどうする事も出来ずに、その炎を見つめながら立ち尽くしていた。 


すると、目の前の赤の中に、一点の黒い影が見えた。
その影は次第に大きくはっきりと輪郭を浮かびあがらせてこちらに近づいてくる。 


人だ。 


その瞬間、俺は弾かれるように賭け出していた。
人影へ近づくにつれ、俺の頭の中に次第に確信していく予感ー……

今にも倒れそうなその人を俺はしっかりと抱き止め、
頭を支えながらゆっくりとそのまま寝かせてやった。 




「……Snow……?」 


「…………L……ush…………」 




紛れもなくSnowだった。
俺の予感は的中する。

彼女は、近づいても人影のまま……
全身が酷いやけどでただれ、真っ黒になっていた。
男なのか、女なのか……それすらも判らない程に。
見るも無残な姿になっていた。

Snowは、胸の前で腕をクロスにして固まっていた。
もう大丈夫だよ、と、俺はその腕を解こうと少しずつそこを伸ばし、楽にしてやろうとしたんだ。 




「……Lush……?」 



Snowが小さく何かを言った。



「……Lushの大好きな……」




台詞と同時に露になる胸は 




「……Lushの大好きな……おっぱい……ちゃんと大丈夫……だった……?」 




守られていたそこだけは綺麗な肌のまま、残っていたのだ。 



俺から涙が噴出した。 




「うん、とても綺麗だよ、ちゃんと大丈夫だ……」




こんな状況になっても、自分がこんな姿になっても
そんな時にそんな事を考えていたなんて……

とめどなく俺の目から涙が流れ落ちてゆく。




「…………Lush、Lushの大好きって言ってくれた白い肌……
……無くなっちゃった…… ごめんね?……」 



何言ってんだよ、そんなの全然構うもんか!
そんなの気にかけてる暇があったら自分の事心配しろよ!!
 
俺がそう言いかけている間に、 



……Snowの目がゆっくり閉じていった。 



Snowは 死んだ んだ 







「うおおおおぉぉぉ―――!!!」 





俺は声にならない叫びを天に向かって投げつけ、
声を上げSnowに被さりながらすげー泣いた。

これは現実なのか、そうでないのか、俺はその狭間で彷徨いながら
頬を伝う涙の感触があまりにもリアルで、これは現実なんだと思いながら…… 






気がつくと、明るい日差しといつもの天井が目の前にあった。 



……夢……? 



これは夢か、そう思ったものの、俺の涙は止まらなかった。
普段、夢の内容なんて起きたと同時に忘れてしまい「えーと、なんだったっけ」と考える位なのに
この夢は俺の頭の中にがっちりと居座り、
内容が反芻されてはあまりにも最悪な内容だっただけに、本気で暫く泣いていた。
思わずSnowを探していた。 


暫くして落ち着いた頃、
すれ違いで今離れているSnowに手紙を書いた。
内容は日常の事で特にたいした事ではないのだが、
手紙の最後に一文添えた。 




『Snow、愛してるよ』 




こんな言葉を伝えられる相手が居る事、
今、傍に居てくれる事。 


俺の傍で、今、リアルに生きている事。 


どんな事より尊くて、ありがたい事なのかもしれない。
喧嘩したって、当たり前になりすぎたって、毎日が同じ日常だって、
それは、とても幸せな事だと感謝しなければいけないんだと強く思った。 


手紙を読んだSnowは俺の予想通りの反応をしてくれて、
きっとSnowはいつ死んだとしても、愛に関しては悔いを残す事はないんだろうなと
俺は思わず微笑んでいた。 


この夢の事、Snowはきっとすごく心配してしまうだろうから言って無いんだ。
俺自身、Snowに対しての気持ちをまた再確認できた出来事として時効までココに閉まっておく。 




実は、この夢には続きがあるんだ。
こんな気分の堕ちる終わり方なんか嫌だと思い、二度寝したんだ、俺(爆)
そしたらさ、やっぱりその夢の続きでさ。

俺、Snowの葬式にも出ないで、閉じこもってしまって
完全に自分の殻の中に入ってしまって
口が利けなくなってしまって、感情がマイナスで一杯になってしまって 

暗い部屋の中で体操座りしたままずっとずっとじーっとしているんだ。 



結局そこで目が覚めて

ああ、俺はSnowが居なくなるとヤバイな、そう思ったね^^;


今傍に居てくれる自分の大切な人を、彼女を、彼氏を、大切にしよう。
伝えられる事、それはとても幸せな事。 

そして、きっとその気持ちは相手にちゃんと伝わると思うな^^
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