雪。

７日の日に俺が働く職場の地域が大雪で急遽休みになった。
思わぬ休みに喜んだが、よくよく考えたら彼女は早番でもう既に仕事場へ。
興奮してメールで知らせたはいいものの、家に帰っても一人で
こんなんなら仕事があった方がよかったなぁなんて勿体ないような運の使い方をしてしまったような気がする。
意外にやる事がないんだよなぁ。。。

雪といえば、俺は雪が好きだ。
俺達が前に住んでた所は、そうめったに雪なんて降らないし、積もらなかった。
ここに引っ越してきて、こんなに雪が身近になって、スタッドレスだって初めて買ったし
自分で取り付けられるようにもなった。
大きな牡丹雪が降って、辺りを真っ白に染める所は今も見とれてしまう。
積もった朝に、鹿の足跡とか残ってたりしてちょっと感動する。
 
ここに来てちょうど一年。
俺がこの会社に入社した時も雪が積もっていたっけ。

道路にひかれたセンターラインもすっかり雪で見えなくなり、周りの車も速度を落とす。
フロントガラス寸前でふわっと舞ってまるで俺の車をおちょくってるみたいに踊る雪を見ながら
ふと、Snowの事を考えるんだ。


Snowは無事に職場に着けただろうか？
スリップとかしてないかな、、、大丈夫だったかな、、、


こんな場面でも彼女の事を考えるように、雪は俺の思考を操作する。


雪が降った夜は、ぐっと気温が下がり
俺達はいつも以上にくっついて眠る。
冷え性の彼女は俺の脚に自分の足をぴったりくっつけ暖を取ろうと無意識に体を寄せる。
俺はそんな彼女を後ろから抱きしめ、髪に埋もれて眠る。


言葉はいらない眠る前の最高のコミュニケーションの場を与えてくれるように、雪は二人の体を操作する。




「私、初めて本気で好きになった人がLushでよかったなぁって思うの。」


そう言われた。

俺は、まだ女の子と付き合えるなんて思っても無かった頃、
女の子らしい子は絶対男の人が好きなんだって思ってて、
きっと付き合うなら俺みたいな女の人と付き合うしかないんだろうなぁなんて思ってた。
男は女が好き、女は男が好き、じゃあ俺みたいなのは？俺みたいなのが余るから、、、
そういうもの同士がくっつくしかないんだって。
無知な俺は何度も何度も夢を見た。
彼女ができて、全部を受け入れてくれて俺を隠さないでいい場所ができる事を。



「俺は、彼女ができるなんて思ってなかったけど、、、もしできたら絶対大事にするだろうなぁって思ってたよ？
めんどくさいから一発で決めたい派だから、俺(笑)」



Snowは恥ずかしいセリフも素直にまっすぐ俺に言うんだ。
本当に、Snowは雪のように心が真っ白な人だなぁと思うよ。



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